母のカリウム制限の食事「カリウムは全部ダメ」じゃないんだよ

食事

昨日の姉からのLINE。
母は少しばかり食事の内容に気をつけないといけないらしい。

母に電話してみようか…
でも、なんか面倒くさいな…

なんて思っていたら、午後になって母から電話がかかってきた。

ここ数ヶ月は、こちらからも週に一度は電話して、2、3日に一度はメールもしてたけど、今月に入ってからあまり電話もせず、母からもかかって来ていなかったから、様子を聞くのはちょっとばかり久しぶり。

昨日の検査結果に意気消沈かな?
と思って電話に出たけど、そういうことでもないらしい。

もしもし〜、どうしてますか〜
久しぶりになっちゃったけど、元気にしていたの〜?

最近連絡していなかったから、おしゃべりがしたくなったみたい。

うん、元気だよ。
最近あんまり連絡してないな〜って、気になってたんだぁ。
ごめんね。

なんて、返事をする。

昨日は、検査の結果を聞きに行ったんだよなー、って思っていたんだけど、
どうだった?

と、しらばっくれて聞いてみる。
私は普段、姉から事前に話を聞いていても、そのことを母には言わない。

母が、自分でちゃんとわかっているのかどうかを、母の口から聞きたいってこともあるし、姉と私が、自分の知らないところで自分のことを何やら話していると思われるのも、ちょっと困るし、イヤなので。

あーそうだね〜、昨日行ってきたよ。
う〜ん、
なんかコレステロールが高いって言われて、食べ物の表をもらってきたよ。

え? コレステロール?
それ、前から言われてるんだよね。
また高くなってきたの?

そんなに食べてないのに…
ご飯を炊く時に、一握り押し麦を入れてさ。

なんのこっちゃ?? 押し麦??
カリウムがコレステロールに入れ替わってる?
確かに、以前からコレステロールは高いって言われてることだけど…。

お昼に、サツマイモを少し食べるくらいなのに…

お、出てきたぞ。
サツマイモの話。

そうなんだー…
他にはどうだったの?

う〜ん、カリウムの量が書かれた紙をもらってきたけど、
もう、いろんな物が書かれてるんだよ〜

ん? 食べちゃいけないものが書いてあるの?

みかんとかさ、お肉も魚も、納豆も書いてあるんだよぉ

最近の母には、人の質問はあんまり聞こえないらしく、自分の言いたいことをとりあえず話したいらしい。

食べちゃいけないものが書かれてるんじゃなくて、多いもの・少ないものが書かれているんじゃないの?

と、誘導尋問してる私。

話しているうちに、母の手元にあるカリウムの表には、食品のカリウムの含有量が、多い/中くらい/少ないの3段階に分かれて、書かれてあるらしいことがわかってきた。

母は、その表が「食べちゃいけないもの」が載っているとは思ってないようだけど、それでも「サツマイモにも○○グラム、きゅうりにも○○グラムなんだって〜!」と、まるで「アレもコレも食べられない!」っていう口ぶり。

どうやら、その表を見ているうちに「書いてある食品は食べちゃダメ」と言われているような気がして来て、悲しくなるらしい。

カリウム含有量の多さの違いはあっても、やっぱり「食べちゃいマズイもの」という、根底にある認識も見え隠れする。

カリウムってね、たしか、ほとんどの食べ物に入っているんだよ。
だから、カリウムの入っているものを食べない食事はできないと思うよ。

と、付け焼き刃の「カリウム談」を披露してみた。

だから、その表のカリウムの多いグループのものばかり食べないようにしなければいいんじゃない?

と、やんわりとゆっくりと促してみる。

母は「うん、そうだよね。」と、とりあえず納得はしたようだけど、あんまりヤル気は感じられない。

母は以前、心筋梗塞で緊急手術をしたことがある。
術後、血液をサラサラにするワーファリンという薬を長いこと飲んでいて、この薬を飲んでいる間はビタミンKは控えるように言われていた。

このときも、ビタミンKが多く入っている一覧表を病院から渡されて、食べられないものが多くて大変だった。

もちろん、「ビタミンKは取っちゃダメ」なんてことはなくて、「大量に気にせずに食べることのないように」ってことなんだけど、母の性格ではそんな風には理解できずに、「もらった表に書いてある物は、ひとかけらも食べてなるものか!」と言わんばかり。

魚のアラ汁にパラパラとのった薬味のワケギでさえも、箸で一つ一つつまんでは取り除いていた。

今でも、血液をサラサラにする薬は飲んでいるけれど、ワーファリンとは違って食事に気を使わずに飲める薬なのですごく助かっている。

ワーファリンを飲んでいた当時は今のようなボケはなかったけど、今の母の思考状態で今回のカリウム制限はどんな風になるものかと、ちょっと心配。

物ごとは「完璧に排除する」か、あるいは「完璧にやり遂げる」かの二者択一という母。

その性格のせいで、よく自分を窮地に追いやっていたようだ。

若い時からのそういう性格は、自分でも以前から自覚があるらしい(今も自覚があるかどうかは、わからないけど)。

実は、はからずも私にもそういう性格が垣間見られるのだけど、そういう私を見ると「あ〜、やっぱりハナも私の娘だね」なんて、嬉しそうに言われたことがあったっけ。

こんな性格で喜ばれても、ね…

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